当院は、恥骨結合離開、尾てい骨の痛みの方などの問合せが多いのですが、最近は、腹直筋離開の方からも「どうにかならないか?」とのお問合せも多く頂きます。
重症の方は、腹筋のど真ん中に指が3本入ってしまったり、恥骨付近まで割れていたり、皮が伸びきってしまっていたりと女性としても、体の状態としても非常に辛い状況の方が多くいます。
軽度、中度の腹直筋離開の方は、骨格を治し、バランスを整えてあげるとその場で離開部分に変化がありますが、重度の方はそうはいきません。
当院としても何とかしてあげたい。との気持ちから様々な方面から模索し、腹直筋離開専用の整体を開発致しました。
腹直筋離開は、「大怪我」の状態です。肉離れ、捻挫などとなんの違いもありません。
激痛はないかもしれませんが、離開していることになんら変わりはないのです。
そこに着目し、「大怪我はトレーニングなどをしないで安静にし周りから自己治癒能力をアップする」という観点から従来のトレーニング方法を一切取り入れないメニューが完成致しました。
今回は、その整体理論のご紹介と実際の整体の流れと説明、腹直筋離開に対する簡単な知識をご紹介致します。
腹直筋離開に関与する周辺筋肉
肋骨の下から恥骨まで繋がっている筋肉ではありますが、実際は、コルセットのように筋肉が何層にも重なっています。
肋骨、骨盤、背骨まで巻き込んでいる大きな筋肉群です。
腹直筋の働き
・胸郭全壁を引き下げる。
・骨盤の前部を引き上げる。
・体幹を屈曲する。
・腹腔内圧を上げる。
・内臓を正しい位置に収めてくれるコルセットの役割。
・骨盤底筋と共に腹腔圧を高め、内臓下垂を防止する。
腹横筋の働き
腹筋の一つで、腹直筋などと共に肋骨部から骨盤部へと走行。腹筋群の中で最内層で腹壁を作っている。
腹直筋離開の症状
肋骨、骨盤の開き
腹直筋がくっついてる骨、肋骨と恥骨が歪み、肋骨や骨盤が開きやすくなります。
骨盤が開くと、内臓が下垂し、例えば
・便利や下痢
・尿もれや痔
・冷え症
・むくみ
など、さまざまな症状が起きます。これは内臓が本来の位置にないことから働きが悪くなるためで、他に女性特有の病気にも繋がりやすくなります。
酸素不足
肋骨が歪む(開く、固くなる)と、肋骨に関与している筋肉(呼吸筋)の働きが悪くなり、空気を十分に吸えず体内が酸素不足になってしまいます。例えば
・代謝を悪化
・冷え
・治癒力の低下
などの症状が起きます。その他、痛みやさまざまな不調にも繋がります。
そうならないためにも、肋骨や横隔膜を緩めて、しっかり働いてもらう事が大事です。
腹直筋離開の当院の見解
上の腹筋の図を1.2.3を見て頂くとわかりますが、腹筋はコルセットのようにお腹から背骨まで何層にも重なりあっています。他にも筋肉だけでなく以下の図のように筋膜の流れも関与してきます。
つまり、腹直筋離開が起きるとその影響は全身に影響を及ぼすということです。
腹直筋離開を起こす人、起こさない人の違い
妊娠時にお腹が大きくなったり、逆子などがあると多かれ少なかれ誰でも腹直筋は離開します。しかし、本来であれば離開しても治癒します。
しかし、なぜ腹直筋離開になっているの改善する人、しない人に分かれるのか?
全身バランスの崩れ
それは、本来の筋肉の性質なども関係しますが、一番は、全身のバランスが崩れているためです。
腹直筋離開を起こした瞬間、他の強い筋肉群に引っ張られます。その引っ張りが弱ければすぐ元に戻るので改善しやすいですが、引っ張りが強ければ改善しづらい状態が生まれます。
図を見てもらうとわかりやすいですが、腹筋が一番身近に繋がっているのが背中の筋肉です。
つまり、背中の筋肉の固さをしっかりとらなければ腹直筋離開は自然治癒しづらくなるのです。
筋膜の走行を見ると背中だけでなく、足や首の関与もありますね。これらのバランスを改善させなければなりません。
腹直筋離開にエクササイズはなぜ必要ないのか?
当院独自の考え方ですが、全身のバランスが取れれば腹直筋離開は自然治癒するはずです。しなければおかしいのです。
腹筋を鍛えて離開をくっつけるという発想はわかりますが、例えば背中が固いのに腹筋をひたすら鍛えて、背中のお腹の筋肉が綱引きをしてしまったらどうなるでしょう?お腹も背中も固くなり日常生活はつらくなると思います。
そこで、エクササイズではなく、固い部分を緩め、腹直筋が自然にくっつくようにしていきます。
更に言うと腹直筋離開は肉離れや、捻挫と同等の怪我です。
通常であれば、怪我があれば休みます。わざわざ怪我した場所をエクササイズしたりはしないでしょう。
エクササイズは完全に治ってから強化する場合です。
腹直筋離開は、強化ではなく、まず改善させなければなりません。
腹直筋離開改善の期間
重度の腹直筋離開の場合、2~3年経っても改善されない方もいらっしゃいます。
しかし、これは人間の自然治癒能力から言うとおかしいのです。
出産は実に大変な作業であり、筋肉、筋膜、靭帯などは大損傷を受けます。だからこそ出産後は半年は安静が必要なのです。
もし、痛みがあっても本来であれば、出産後長くて1年の内に改善するのが人間の本来の自然治癒力です。
しかし、自然治癒力が働きづらい環境だと改善も遅くなります。
整体は、腹直筋離開を改善させるものではなく、全身のバランスを改善させ自然治癒力を取り戻すためのものです。
そのため、当院では、最短で6ヶ月の期間は必要と考えました。
腹直筋離開の整体
全身を整体して、異常部位を細かく調整します。特に腹直筋離開はお腹ばかりに目が行きがちですが、背中側の整体が一番重要であり、背中側が改善することで、お腹側も自然と改善していきます。
整体をすれば、軽度、中度の腹直筋離開であれば、その場で割れ目が閉じるのがわかることもあります。これは、バランスが変わって閉じるのであって、完全にくっつくわけではありません。
実際の整体は、うつ伏せ、仰向けをベースとし、座った状態や立った状態でも整体をすることがあります。スジを整え、骨を動かしていく整体ですが、とてもソフトで無痛ですのでご安心ください。
次回ご予約
当院の整体だと最短で6ヶ月かかりますが、1度受けてみて合わないなと思われる方もいらっしゃると思います。そのため、次回お受けになるかはご本人様にお任せし、こちらから強制することは一切ございません。
ご不明な点、ご不安な点はお気軽にご相談ください。
まとめ
腹直筋離開が怪我だという認識があまりにも少なくすぐに改善するものだと思い込み焦っている方が多いかもしれません。
腹直筋離開に限らず出産と大怪我なんです。なんせ大きな頭が子宮からでてくるわけですから周辺組織が無事ではありません。
だからこそ安静が必要であり、自然治癒力を最大限にアップさせる生活を心がけエクササイズは、完全回復した後に行うことが正しいのです。
まずは、ご自身のお体を大切にしましょう。
そのためのお手伝いを整体はできます。
お悩み相談だけでも構いません。是非お気軽にご相談ください。
院長・森